貧富 2010 3 22
ここで取り上げるのは、
「人生における貧富」のことです。
これは、多くの人が気づいていないでしょうが、
たいていの人が目にしていることです。
母親は、スーパーの買い物において1円単位で節約し、
父親は、昼食代を節約するために、立ち食いそばで済ます。
一方、子供は贅沢の限りを尽くす。
なぜならば、子供には、最大で6つの資金源があるからです。
両親、父方の祖父母、母方の祖父母からの小遣いことです。
しかし、これは、子供にとって不幸なことです。
本当は、子供時代に、上手なお金の使い方を学ばなければならないのです。
あるいは、節約の仕方を学んでおく必要があるのです。
子供時代に贅沢を覚えてしまうと、
その後の人生は厳しいのです。
人生というものは、生活レベルを上げるのは簡単でも、
いったん上がってしまった生活レベルを下げるのは難しいのです。
収入に合わせて生活レベルを調整するのは、生活の知恵と言えるでしょう。
こうした生活の知恵を子供時代に学んでおくことは大切なことです。
長い人生、何があるか、わからないのです。
会社で成功することもあれば、会社が倒産することもあります。
「寄らば大樹」で、大企業に就職すれば、そんな心配は不要か。
私が子供のころ、
父親が持っていた会社名鑑のようなものを見て、不思議に思いました。
当時、すでに斜陽産業になっていた石炭産業の役員名簿を見ると、
一流大学出身者が多かったのです。
子供の私は、父親に、こう聞きました。
「一流大学を卒業したのに、なぜ斜陽産業に就職したのか」
父親は、こう言いました。
「昔は、石炭産業は、花形産業だった。
だから一流大学の学生が競って石炭会社に就職したのだ」
長い長い人生、何があるか、わからないのです。
将来、日本人の平均寿命は、100歳に近づくかもしれません。
人生がそんなに長ければ、人生の浮き沈みを何回も経験するかもしれません。
その時、役立つのは学歴ではなく、生活の知恵です。
しかし、意外なことに、このようなことは誰も教えてくれないのです。
学校でも教えてくれないでしょうし、家庭でも教えてくれないでしょう。
自分で苦労しながら、自分で学ぶのです。
子供時代に、上手なお金の使い方や節約の仕方を学んでおくと、
将来への不安が、ひとつ解消されるでしょうし、人生における武器となるでしょう。